2007年12月5日水曜日

約二ヶ月ぶりに


やはり、と言うか。始めたばかりのブログなのに随分と長い間投稿できずにいた。
十月から十一月いっぱい、朝から夜中までギターを弾いていた。初めて11弦ギターでの演奏のみのCDを作ろうと決意したのが五月。それからいろいろ準備して、ようやく録音に入りはしたものの、マイクに向かっての演奏になれるまで相当に時間がかかってしまった。普通には誰しもそうだが、「耳」は聞こえる音は何でも聞こえてるようで聞こえていない。いかに自分の思いこみで楽器を奏していることかを、録音はしたたかに教えてくれる。慌てて気づいた音に注意して、また録音すると、今度は別の気になる音が其処に現れる。繰り返し、くりかえし。もちろん、「へぇー、こんな面白い弾き方をしてるのか」と良い気づきもあるが、大部分は自分の演奏にうんざり。そんな気持ちを自ら奮い立たせて、ようやく弾くことに自由さが現れたのは11月半ば。すると今度は、自宅録音のため外部からの予期せぬ音が演奏に進入! 犬の鳴き声、車の音、飛行機の音、はたまた市役所や警察からの市内放送、・・・が、これもいいことがあった、鳥の鳴き声があまり良いものだから、窓を開け放して、鳥の鳴き声以外は入らないことを祈りつつ、曲と共演してもらった。ライブばかりをしてきたじぶんには、途中何度もいやになってしまった。マイクだけに向かう演奏って何?と。
いわゆる普通の住宅の、普通の八畳間の空間での録音だが、自分には良い結果をもたらしてくれたと思っている。これがホールやスタジオであったら、奏する「音」はその目的空間の音響に左右され、奏者は無意識でもその空間にふさわしい音を出そうとするし、曲のイメージも音響空間に沿うことになる。ところが、自宅では、ある意味、外(屋外)で弾いてる同じくらいに、裸の音、楽器そのものの響きで奏する以外ない。すると楽器を弾くじぶんは、どうしても「音」に十分なイメージを持たない限りは、単純にただの演奏になるので、一音、一音にイメージを与えようと努力する。これは演奏家なら当たり前のようだが、意外にそのように一音一音を楽器の裸の状態の音から作ってる人は少ないと思う。経験的にも、いわゆるコンサートホールで公演すると、まずは音の響きが良いので、その響きの良さに乗る音を紡ごうと心がけるし、可能な限りのミスタッチを避けようと心がける。なにしろ響きが良いので。曲のイメージも聴き映えのする感じに仕立てようとする。ともかく、録音に終止符を打った。今はCDに落とす作業に入っている。自費出版なのでジャケットも作らなければならい。やることいっぱい! 一月早々の完成を目指している。

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