2007年12月14日金曜日

オーディオ音楽

前回CD制作のために録音したことを記した。時流に乗ってパソコンを使い、精度が高いと言われる24bit/96kHzで録音した。それをCDプレスやさんに頼む前、CD規格( 16bit/44.1kHz )に変換し、まず試聴をして、一応じぶんなりに納得する作業に相当な日数を費やした。ステレオでじぶんの「音」がどのように再現できているか、あるいは再現しているかを〈じぶんなりに聴きわける〉ことはなんとも難しい。なにがって、 CDを再生するオーディオ機器によって「音」が違いすぎる。実は「音」の違い以前に、機器の音の再生能力に相当な優劣があることに、驚いた。「あれ、音が割れている」と気づいたときの慌てっぷり。気がつく限りの原因を考える。パソコン、パソコンまわりの機材、CDプレーヤー、アンプ、スピーカー、コード??? なんと時間のかかることか。何日かして、主にスピーカーの能力によって音割れの度合いが違うことに気づく。
CD制作やオーディオに少しでも関心のある方なら、普段に聞いているCDが、元の音源(録音)をオーディオ再生機器の能力に合うように前もって処理されていることを知っている。はじめてCD制作家の意義を知った。機器に適合する音に〈処理〉が加わったものをわたしたちは聞いているのだ。

さて、音割れの原因を探すために、持っているオーディオ機器を総動員し、三つのプレーヤー、四つのアンプ、五つのスピーカーをそれぞれ変えて聞いてみた。「もしかしたら機械がおかしいのでは?」と、素人は疑わざるを得ない。あっちで聞き、こっちで聞き、はたまた機器を組み替えて、このプレーヤーとあのアンプ、それからこっちのスピーカーをつないで。こうして、原因をつかんでゆく中、機器によって聞こえる「音」が異なることに気づく。音が堅い、音がなんか平べったい、低音が良く聞こえる、のびのある音だなぁ、等々。さらに、だんだん、この機器だとなんか焦って演奏してるように聞こえる、これは音楽と言うより音を聞いてる感じ、演奏の時とは違うイメージが出てくるな、等々。どうも機器から現れる音空間の違いが気になりだした。じぶんの気持ちがすっきりしない。そのうち、インターネットでオーディオマニアのホームページを見まくり始めた。どんなジャンルでも、マニアはすごい! 数日、虜になった。

結論、オーディオで聞く音楽は「オーディオ音楽」。「再生」とは言えない。
いかに「すばらしい生録音」であろうと、「録音を忠実に再現」とうたおうと、オーディオで聞く音楽は「オーディオ音楽」。

じぶんへの新しい問いかけが起きる。じぶんは「オーディオ音楽」を作りたかったのか? 何故、録音を思い立った? 何故、CD?

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